最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ～VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました～

「ちょ……嘘でしょ？　な、なななんで？」

　バンッと一旦、窓を力いっぱい閉めた。
　変な汗で手の平が湿っていく。
　そこにいたのは、私がさっき、ゲーム内で倒したはずの七龍王――、煉獄の暗黒龍だった。
　いやいやいや……冷静になれ。ドラゴンは架空の生き物だ。
　現実にいるわけがないんだ。


　長時間のゲームプレイで、目も脳も幻覚を見てしまうほどに疲れているとは――。
　見間違いかもしれないので、もう一度窓を開けてみる。

「み、見間違いじゃない……だと？」

　現実世界に、あの架空の生物の代名詞であるドラゴンがいるだと？　
　そんな馬鹿な！？　どう言うことなの？　これは夢？　
　疲れすぎて、寝落ちしてる？
　古典的に頬を抓ってみたがクソ痛かった。夢じゃない、これは現実だ。
　

　本当に何でいるんだ？