最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~

   ***



 誰かが私の頭を優しく撫でた。
 まどろむ私は、その手の感触がくすぐったくて、身じろいだ。
 頭を撫でられるなんて、小学校の低学年以来だ。


 ……
 …………
 ………………あれ?


 ちょっと待ってくださいよ。
 何度も言うが、私は1人暮らしだ。喪女のゲーオタで恋人もいない。
 つまり、頭を撫でてくれる人なんていない。
 心地良さが徐々に消えて、恐怖と眠る前に見た光景が蘇ってくる。

「エァアアアアアッ!?」

 悲鳴を上げながら被っていた布団を蹴り飛ばす。
 飛び起きたのは、自分のベッドの上だった。
 昨夜の奇想天外な出来事で、メチャクチャになったはずの部屋を見渡す。
 しかし、異常はこれと言ってなし。

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