最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
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誰かが私の頭を優しく撫でた。
まどろむ私は、その手の感触がくすぐったくて、身じろいだ。
頭を撫でられるなんて、小学校の低学年以来だ。
……
…………
………………あれ?
ちょっと待ってくださいよ。
何度も言うが、私は1人暮らしだ。喪女のゲーオタで恋人もいない。
つまり、頭を撫でてくれる人なんていない。
心地良さが徐々に消えて、恐怖と眠る前に見た光景が蘇ってくる。
「エァアアアアアッ!?」
悲鳴を上げながら被っていた布団を蹴り飛ばす。
飛び起きたのは、自分のベッドの上だった。
昨夜の奇想天外な出来事で、メチャクチャになったはずの部屋を見渡す。
しかし、異常はこれと言ってなし。