最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
普段通りの私の部屋だ。
聖剣『孫の手』を握って窓まで忍び寄り、ガラス戸を薄く開ける。
外を片目だけで覗くが、煉獄の暗黒龍もいなかった。
「なんだ。やっぱり、夢だったのか」
額に滲んだ汗を拭って、スマホの画面を見れば、まだ午前3時だ。
お年寄り並みの早起きだ。これは二度寝確定で問題ありませんね。
「大人気ゲームからドラゴンが現実に出てくるとか。ないない……ないって。夢は寝て見ろっての」
大きく背伸びをしながら、ベッドに戻る。
7時に出れば、出勤には十分間に合う。
布団を被り直して、私はもう一度、夢の世界へと旅立った。