最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
第5話.社畜の帰還
デスクにどっかりと座った上司。
その薄くなった頭頂部に向かって、深々と頭を下げている私。
「病気でもさ、休み取りたい時は、事前に言ってもらわないと困るんだよね。右も左も分からない新入社員じゃないんだからさぁ」
こんな調子で、ネチネチともう5分以上は文句を垂れている。
仮病とは言えど、病気で午後休を取るのに、事前に許可を取るってなにさ?
何かにつけて文句を言わないと、死ぬ病気でも患ってるんですかねぇ?
部下のツラ捕まえて、いびってる暇があったらアンタも手動かして働けよな。
勘弁してくれ。このままだと、本当に体調不良になりそうだ。
「申し訳ございません。急に寒気が……しかも、吐き気までしてきまして」
「竜ヶ崎さんは……えーっと、社会人になって何年目だっけ?」
「ご……5年目です」
「なら、体調管理くらいできないとなー。まあ、今日はもう帰っていいから。明日はちゃんと出社してよね。頼んだよ」