最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
補足として、『警察を知らない』と打ち込んでおく。
うーん、警察を知らないかぁ。
このやり取りは、異世界から現代社会に来てしまった系主人公が登場するラノベや映画で、お決まりのギャグシーンとして扱われている。
笑う所なのだが、リアルでこの反応をされるのは、なんと言うか……お頭(つむ)が心配になる。
自称ドラゴンと言うのも、本当なんじゃ?
いやいや、あり得ない、あり得ない!
「えー、まずは……お名前をフルネームで教えて頂けますか?」
「すでに名乗ったはずだが。我が名は煉獄の暗黒龍。真名をエヴィエニス」
「はい、1つ目のダウトー」
「我は真名を名乗ったのだぞ。ダウトとはなんだ? 解せんぞ」
「静粛に、質問を続けますよ。性別は見れば分かるので、年齢は?」
「……年齢。正確に数えたことはないが、700は超えていると記憶している」
「とんでも長寿かよ。ジジイとか言うレベルじゃない」
「我は成龍になったばかりだ。言わば、若造だぞ」
私に向かって、なんだその「やれやれ」って表情は?
張っ倒すぞ。
「若造のエヴィエニスさん、ご出身は?」
「世界の果てと呼ばれる地、オリゾンダス――」