最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
つまりヤツの攻撃パターンや弱点は、戦いの中で、自力で学ぶしかない。
来る日も来る日も、私はドラゴン系のモンスターの攻撃パターンを徹底的に観察した。
オークにはオークの、死霊には死霊の、ドラゴンにはドラゴンの。
それぞれのモンスターには戦い方に特徴がある。
それを見抜けるか、見抜けないかが冒険者の腕の見せ所だ。
全てのモンスターを狩り尽くし、ドラゴンを殺し続けたが故に、『龍殺しのソレイユ』の異名を名付けられていた。
なぜ、そこまで拘るのか? そんなの決まっている。
七龍王を倒して、3人目の『英雄』と呼ばれたい。
私は、もうその辺の雑魚モンスターを狩るだけでは戦闘欲を満たせない。
ただ、それだけだ。
戦いは、途方もない長時間に及んだ。
煉獄の暗黒龍の攻撃パターンは、大きく分けて3つ。
パターン1、火属性と氷属性の効果を併せ持つ特殊な蒼の炎ブレス。
パターン2、規則性のないドラゴン特有の突進攻撃。
パターン3、長い尾を左右に大きく振る、強力な物理攻撃。
体躯が大きければ大きいほど、素早さは下がるものだが、その定説は闇黒龍には反映されていない。
その巨体からでは想像もできない軽いフットワークと近・中・遠の攻撃を極めた暗黒龍。
一太刀当てるのも、一筋縄ではいかなかった。
一撃を食らわせれば、お返しとばかりにこちらも重い一撃を食らわされる。
意地と意地のぶつかり合いが延々と続いた。
満身創痍の1人と1頭は、睨み合っていた。