最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
もっと正確に言えば、額で青白く輝く巨大な結晶こそ、ヤツの核(コア)であり、唯一の弱点!
最高レアリティの武器、大剣『ドラゴンペイン』を両手に持ち替え暗黒龍の額へと、私は垂直落下する。
「私は龍殺しのソレイユ! 暗黒龍よ、この名をお前の最期の記憶として刻むがいい!」
暗黒龍が回避しようと足掻くが、もう遅い。
青い瞳が大きく見開かれ、そこには大剣を振り翳(かざ)す私が映っていた。
私の怒号と共に、ドラゴンペインが核に突き刺さる。
持てる全ての力を両腕に集中させ、ゴリ押しで更に深く突き立てる。
額のクリスタルに放射状のヒビが入り、そのまま四方に砕け散る。
キラキラ輝きながら宙を舞う蒼の破片が美しかった。
ビクビクと痙攣していた暗黒龍の巨体から、ふっと力が抜ける。
私は最期を看取ってから、大剣を抜き取り、額を蹴って地面に着地した。
「誇り高き龍の王よ。貴様の魂に、私は最大の敬意を払おう」
ズズウンと地響きを立てて、暗黒龍が地面に伏す。
勝ったのは、ドラゴンが『最弱種族』と蔑んだ私。
なんと皮肉なことか――。