最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
そして、
「美味い!」
「お、おう」
はい、頂きました。
異世界逆トリップ定番のテンプレ反応……現実で聞けて新鮮だわね。
腹の底から出た、良く通る叫び声。
ドラゴンの頃の名残なのかもしれないが、近所迷惑になる。
もっとボリュームを抑えて! 犬の遠吠えとレベルはどっこいどっこい、いい勝負だ。
「これほどまでに美味い糧を我は……我は、生まれて始めて食べた。温い汁に浸かったメンの食感と喉越しもさることながら、温い汁すら美味いとは! メン、素晴らしいぞメン! 最弱種族め、なんと生意気な! こんなにも素晴らしい糧を日々のように喰らっておるのか!」
「あ、はい……ソレハ、ヨカッタデスネー」
つまり、カップ麺を気に入ったんだね。
自分の食べかけと感動が治まらないエヴィエニスを交互に見て、
「えーっと……私の食べかけですけど、よければどうぞ」
と、カップ麺をスッと差し出した。
私の申し出を聞いたエヴィエニスの瞳が、サファイアみたいにキラキラ輝く。
「良いのか!?」
「なんだったら、ストックに余裕があるのでいろんな味を試食してします?」
「ああ、頼む!」
「じゃあ、それ食べて待っててください」