最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
第13話.一緒に住むとは言ってない
ポジティプもここまで来ると、もはやサイコパスだなと悟った。
その笑顔は、巷で流行のマジキチスマイルかな?
「は? 今なんて?」
「我には兄弟と言う者がいなかった。故に我らの子には寂しくないよう、兄弟を多く作ってやりたい」
「いや、あの……うん。あのね、そうじゃなくて……」
いや、会話が飛躍し過ぎだ。ツガイの件はどうしたんだ?
そんな首傾げても、マッチョマンの貴方じゃ全然可愛くないからな? 「ハンバーグって、どうやって作るの?」的なノリで子作りの手順を嫁入り前の処女に聞くことじゃない。
これは、もっとこう……繊細かつ生命の神秘的な問題だ。
落ち着け、私! まだキレる時じゃない!
「どうして、エヴィさんのお父上とお母上は一番大切なことを教育しなかったんだ! いや、でもそのおかげで助かった」
私の大切な物が、守られた奇跡の瞬間だ。
心の中でガッツポーズを取る。