月がみていて
第1章 <二日月>
<月>
脈が ズレる
音が響く
寒空の夜の中
私は 外で 弟とふたり
月を見上げては 抱き合った
怒鳴る声、壊れる音
―これが夢であればいいのに
そう思いたかったケド、
―これは現実
そう 受け止めていた(小1の冬)
ハァ、ハァ 吐く息は白く…
なのに、小さな体がふたつ
つらくて、熱くて、たまらなかった
<泣き声><割れる奇声>
―こんな夢はスリリング
そんな風には 思えなくて、
―こんな夜はリアル
居場所のない、この家での私達
涙が流れる弟の頬を拭う(ほほをぬぐう)
そして 枯れた自分の瞳に気付く
月の光りは見上げると
小さなふたりに温かい
「どう、なっちゃうの?」
4才の弟の声は かすかで細い糸のよう
「・・・。」
ギューっとただ抱きしめるだけ
音が響く
寒空の夜の中
私は 外で 弟とふたり
月を見上げては 抱き合った
怒鳴る声、壊れる音
―これが夢であればいいのに
そう思いたかったケド、
―これは現実
そう 受け止めていた(小1の冬)
ハァ、ハァ 吐く息は白く…
なのに、小さな体がふたつ
つらくて、熱くて、たまらなかった
<泣き声><割れる奇声>
―こんな夢はスリリング
そんな風には 思えなくて、
―こんな夜はリアル
居場所のない、この家での私達
涙が流れる弟の頬を拭う(ほほをぬぐう)
そして 枯れた自分の瞳に気付く
月の光りは見上げると
小さなふたりに温かい
「どう、なっちゃうの?」
4才の弟の声は かすかで細い糸のよう
「・・・。」
ギューっとただ抱きしめるだけ