月がみていて
第3章<ニセ二日月>
(ニセ二日月)

今夜の月は細い。

「アレは? 」(洋子)


「ニセモノ・・・。」(望)

自称(月博士)の望。


「(二日月)自体がマイナーな存在で、

(ニセ二日月)なんて、向きは逆やし、

その存在すらが、もっとマイナー。

それでも、(月)は(月)。

例え、皆にその呼び名が広まっていなくても、

誰かにニセモノ呼ばわりされても、

(月)に変わりはありません。

だって、月って夜空の顔。

アタシはそう思ってるから・・・。」

「長っ!ケガ人がそんなに、よー語れるわぁ。」


< 115 / 233 >

この作品をシェア

pagetop