月がみていて
トクサンは当初、

夜中に来店した少女に焦った。

「おうちの人に言うてきた? 」

「大丈夫、デスから・・・。」

―家庭環境の悪さはハンパなく、

それでもグレていない(望)が

痛々しかった。

―「不良にならへンの? 」

「敵の思う壺にハマる?そんな簡単には、無理!」

 当時、望は11歳だった・・・。
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