月がみていて
翌朝、目覚めると、狭い部屋に

コーヒーの香りが漂っていた。

「インスタントって、新品の時だけ

えぇ匂いするって、知ってた?」

「うん。」

アタシは湯気の上がるカップを手に

“フーフー”と息を吹きかけ、少しずつ飲んだ。

トワの入れた(ミルクコーヒー)は甘かった。

「望は、お子チャマ用。」

―そんなトワが嬉しかった。
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