月がみていて
結局2日後、その人は帰った。

「何かあれば、こちらに連絡してください。」

ナースに名刺を渡していた。その傍から、

トワが古びた名刺を差し出した。

{京都府京都市・・・林屋}

「コレ・・・。」

「望がいつも持っていました。」

「竹人さん!? 」

「・・・。」

ふたりは顔を見合わせた。


「とりあえず、一旦帰ります・・・。」

10代のトワ達に深々とお辞儀した(竹人)。

―その光景を、望に見せたかった。
そう洋子は、唇を噛んだ。
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