月がみていて
「ココだけ、眉毛…生えてこないから。

それと消毒に毎日、おいで。

それから明日、保険書とお金、持ってきて…。」

「はい。」

「ヨロシイ! 

それで、トワ君は家まで送ってくださいね。」

「おかしな医者、やろう? 

急に(医者ヅラ)すんな! ちゅうねん。」

トワの声が耳元で囁いて、

「アタシ、送ってもらわなくて、大丈夫デス。」

すると再び医者がドアを開けた。

「トワ、ちょっと…。」

今度は真剣な表情を浮かべ…

―だから、アタシは先に外に出た。

トワを待つ間、空を眺めた。

[○○病院]の斜め上…

真昼の月が微笑んで見えたのは…
なぜ?

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