月がみていて
生まれて初めてのドライブは

「スッー…。」

アタシは、気をラクにする為に深呼吸した。

―ここにこうしていられるのは、元はと言えば(この傷)からの出来事…。

「傷、うずいてきた? 」

「うん…。麻酔、切れたかなぁ?」

「大丈夫? 」

―傷口ズキズキ・胸はドキドキ

現実はシビアなもの。

ドラマみたいに、ロマンチックには、

なかなかいかない。

「おっちゃん、やっぱり(ヤブ医者)?

傷口きちんと縫えてるか、見といた方がよさそうカモ…。」

「えっ! ズレテタリする…? マジで? 」

「マジで!…ウソ。」

笑顔が冗談だと語っていたが、

「本間に言うテル? 」

アタシの怖がる様子を完全に、楽しんでいるみたい…。

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