月がみていて
トワは皆の前に出ると、

多くを語らず、ポーカーフェイス。

「山下、一応…返しとくワ。」

車のキーをパスした。

「トワ先輩、混んでました? 」

「まぁ…。」

山下君は、そんなトワを見ていて、

無表情に立ち上がると

「俺、何か不安! 」

駐車場へ走っていった。

「おもしろそう。」と、2人が続く。

そして、そんな様子を横目で楽しんで、

トワは大きく足を組んだ。

「俺、アイス(アイスコーヒーの略)…あぁ、ドリンクバー? 」

ベルを鳴らしてから、こんな調子…。

メニューを広げ、

「望は、何? 」

「アタシは…。」

「飯、食った?」

トワの心遣いが、アタシの胸にきゅんとくる。

「別に…、欲しくないから。」



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