月がみていて
―<お父ちゃん>


夢を見て修行に入った “京の老舗(しにせ)”

一人娘と恋に墜ち(おち)

骨に随(ずい)まで愛し合う

気づけば 家族の長となり

一人娘は 母となり

昔の我儘(わがまま) 残したままに

ブランド・バックを買いあさる

長女と長男の幼な子と

夢を果たせなかった 父の無念

後悔しても始まらず

それでも 今を生きるダケ

稼ぎ続けた その金の

行き先 全て母のモノ


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