月がみていて
洋子のお母ちゃんの提案は、

実のところ、アタシにとって大助かり。

食費の援助をしてもらったのも、同然だからだ。

「あたしで、よければ…。」

「ありがとう! あー、助かった。」

「もう、ええからな! 」(洋子)

夕食が出てくる生活を、7日間も過ごせるのだ!

「何年ぶり? メッチャ、嬉しい! 」(望)

「うちの晩ご飯、あんまりパッとせえへんでぇ!」


洋子はアタシの晴れ晴れとした表情が気になったのか

「そんなに(晩ご飯)、作るの大変?」と洋子が覗いた。

「洋子も1週間、メニュー決めて、買い物して、作ってみたら? 
 
…そしたら、分かるから。」

アタシは、英語の教科書をかばんから出しながら言った。


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