月がみていて
テスト5日前

「泊まっていく? 」

すっかり気を良くしたのか、今まで以上にサービス満点。

「また、次の機会にします。」

「お家のひとに、言ってからの方がええからね。」


でも、洋子は“その家”がウザイらしい。

{“現代国語”の課題の作文のテーマ(我が家)}

「私の家は平凡です…。」

― エッ?

アタシは耳を疑った。

まるでその出だしは、アタシが昔、書いた作文、そのもの。

洋子は指名され、“平常点”のためダケに、発表した

掴みは上々、クラス全員(大爆笑)

そして、たった一人…その作文に笑えなかった(アタシ)

その日は、微妙だった

‥いつものように明るく出来なかったから…。

そんなアタシを不安げに見ていた(洋子)を知りつつ、

やっばり反応できない…。

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