月がみていて
アタシは、拭っても拭っても、涙をポロポロとこぼし、

弟とお揃いで買ってもらったTシャツの袖口は、

涙で濡れた。

やりきれなくて、切なくて…

その頃、とにかく母が恋しくて…。

「お母ちゃん!」

もう11才になっていた、とても憂鬱な

夏休みの前日の、‥‥あの日の思い出。


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