月がみていて
担任の毛深い手の甲が…

私にとっては、気持ち悪い。

「あー。」

「田仲、成績だけが人生や、ないけど、

もうちょっと、何とかガンバレんか? 

それと・・・。」

“コツ、コツ”

つめの先で、望の通知簿を指すと、

「話あるから、残れよ・・・。」

私だけに聞こえる、とても小さな声で

そう言った。


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