恋を忘れた君に

スマホの画面をいじり、スピーカーにする。
RINEの画面を開き、急いでななせに返信した。

>>ごめん、寝てた。心配かけてごめんね~

するとななせからも直ぐに返事が来て、泣き顔のスタンプ。

「・・・はは、」
『ん、どうかした?』
「あ、いえ、ななせに連絡したら直ぐに返信来て、本当に心配してくれてたんだなって思って。」
『そだよ~凄い心配して、僕にまで連絡してくるくらいだからね。』

・・・確かに。
ななせが慌てて彼に連絡している姿が安易に想像できた。
が、沢渡さんからすると、突然何事かって感じだったであろう。

「何か・・・本当にすみません。」
『んーん、大丈夫。元気そうで良かった。それに声も聴けたし、今日は普通に話してくれたから満足だよ。なんて。』

そう言われてみれば、彼と話すのはあの日以来。
だけど、普通に会話することができていた。
何なら、話しているのが楽しいと思うほどに。

「あの・・・、」
『何?』
「あの時は、その、変な態度取っちゃって、すみませんでした。」

今更だとは思うが、子供の様だったと、反省と、急に恥ずかしさが襲ってきた。

『はは、大丈夫だよ。もしかして、ずっと気にしてた?』
「まあ・・・はい。」
『可愛いなあ、僕は全然気にしてないよ~。あ、でも、此れを機に次からは普通にしてね?流石に毎回あんな感じだと、泣いちゃうから。』





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