恋を忘れた君に
然し、変わっていったのは周りだった。
所属していたグループからはいつの間にか孤立していた。
仲の良いのはそのグループだけではなかったから、少しだけ静かな子達と一緒に居た。
その子達は周りが変わっても心配してくれたし、一緒に居てくれた。
でも、私の所為でその子達迄も陰で色々言われ始めて居る事に気付いていた。
だから、出来るだけ、一緒に居ない様にしていた。
ある日の休憩時間。
「あれ・・・私のペンケース・・・。」
鞄の中を探しても、机を探しても見当たらなかった。
教室を一通り見まわしたが見当たらなかった。
廊下からキャッキャ騒ぐ声が聞こえた。
其方を見てみると、
「あ・・・。」
派手なグループの女子達が私のペンケースを投げ合って遊んでいた。
その光景を私が見ている事に気が付くと、その時ペンケースを持っていた子が、思い切り壁に向かって投げた。
幸い、ペンケースはチャックで閉めるタイプのものだったから、中身が飛び散ったり、壊れたりする事はなかった。
けれど壁に当たったペンケースは、そのまま地面に落ち、へたり込んで居る。
其れを回りで笑いながら見ている人や、憐れんでいる人は沢山居たけれど、誰も拾おうとはしなかった。
そりゃあそうか、自分が次の標的になってしまうかもしれないし。
ペンケースを拾い、教室に戻った。
まあ、こういった事が日常茶飯事だった。
もう慣れて来ていた。
そんな毎日が続いていた時の昼休み。
昼休みになった瞬間、教室のドアが開き、大量の女子生徒が私の所に来た。
「小鳥遊さん、ちょっと良い?」
皆何事かと、他のクラスの人迄見に来ていた。
「は、はい、なんでしょうか・・・。」
お昼ご飯を一緒に食べようと近くに来てくれていた友達に、「ごめんね。」と小さく謝り、女子達の方を見た。
「あんたさ、最近調子乗り過ぎじゃない?」