私はあなたのストーカーです
「悠……」
「俺がノリで参加するって言ったと思ったら大間違いだ。女の子に対していつもハイハイ頼まれごと聞いたりしねえよ?」
「ごめん」
「いや。そんな顔すんな。責めてるわけじゃない」
さっきまで真剣な顔をしていた悠が、私から目線を外し俯く。
「橋渡しされて。正直、悔しかった」
(……?)
「ひなが俺のこと、ほんとに幼なじみとしてしか見てなくて。俺の気持ち全然伝わってねーんだなって思って」
「悠の、気持ち?」
そう聞き返したとき、悠の頬が赤く染まっていることに気づいた。
「物心ついたときから一緒だった。なんでも話せたし、気も使わずにいられた。でも、俺がそれだけでひなに手料理作って欲しいとか。一緒にご飯食べようとか。こうやって勉強教えてやろうとしてると思う?」
やめて、悠。
「ひなの料理、世界一っての。嘘じゃないよ。どんな三ツ星料理店のより俺にとっては絶品」
壊さないで。お願い。
「はる……」
「好きだから」
やだよ。悠。
【年の近い幼なじみがいると。兄妹みたいでいいなー】
「好きなんだ。ずっと」
悠からの突然の告白を受けた私の頭の中に真っ先によぎったのは、栗原先生のあの言葉だった。