私はあなたのストーカーです


「見て見てー、面白い写真があるんだけど」


(……っ!)


麻美が近くの席の男子に携帯を見せている。


こっちをチラリと見てまた男子に視線を戻した。


まさか。


まさか……。


「ウケる」
「でしょ?」
「拡散しとこ」
「動物すきなのー?」
「割と」


違った。

“あの”写真を見せられたわけじゃ、なかった。


「ビクビクしちゃって。猫っていうよりは。怯えたウサギってかんじだねー」
「仁依菜ちゃん……」


麻美、仁依菜ちゃん、サツキ、ナミ。


傍にいるのは仲がいいからじゃない。


「チクったら。ばら撒くから」


誰かが、学校では、常に私を監視していたんだ。

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