私はあなたのストーカーです



「失礼します」


保健室に行くと、そこにいたのは――。


「ヒナコちゃん。ケガでもしたの?」


同じクラスの、隣の席の、よくわからないチャラチャラした人。


私がイジメられていることを知っていて、助けて欲しいなら言ってって。なぜかそんなこと、言ってきた人。


「あー、指?」


おさえていたせいだろう。怪我したのは指だと気づかれた。


「うん。突き指、しちゃって」
「突き指で済んでよかったね」
「え?」
「てっきり折られたり、切られたりしたのかと」
「……なに、それ」


そんなこと考えるのが。考えたとして、口に出すのが、普通じゃないと思った。


「暴力ってさ。エスカレートしていくと、なにがあるかわかんないからね」


笑って言う藤ヶ谷くんは、この上なく不気味で。


やっぱりピアスはたくさんついているし、オーラも独特で、すごく苦手だ。

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