私はあなたのストーカーです
いつの話をしているのだろう。
普通に考えれば入学式のときかなと思うが、気まぐれな藤ヶ谷くんが入学式に出ていたか記憶が曖昧だ。
オリエンテーションみたいなのには、顔を出していなかったと思う。あと集会にも気分次第で現れるという感じだ。
それ以前だと、制服合わせや、もっと前なら入試の会場やその付近ですれ違ったりはしているかもしれない。
もちろんそのときの記憶なんて、あまりない。
自分のことに精一杯で、誰と会ったかまでは記憶にゼロに近いほど残っていない。
「感じたんだ。ああ、この子イジメられ気質だなーって」
――は?
「なに、それ」
「イジメたくなるオーラ全開だった」
「変なこと……言わないで」
「ほんとだよ。現にイジメられてるじゃん」
「っ、」
どうして私が言われて嫌なこと平気で言うの。
「でも。僕は、君の味方だよ」