私はあなたのストーカーです
本当に? 信じていいの?
「あれから落ち着いたように見えてるけど。いじめ、ずっと続いてるんでしょ。水面下で。卑劣だよねえ」
他の男子は『なかったこと』『一時的な喧嘩』にした。
そんな女の子のコミュニティ間でしかわかりえない情報を、藤ヶ谷くんは察知している。
いつも周りなんて気にしないって顔してるのに。
教室にだって、いつもいるわけじゃないのに。
本当にわからない人だ。
「なんで、一人で抱えるの?」
「え……」
「いるじゃん。王子様」
そう言われて一番に浮かんだのは、
栗原先生だった。
私の王子様は先生しかいないから。
けれど。
藤ヶ谷くんの口から出たのは先生の名前じゃなかった。
「人気者の碓氷悠くん。カレなら止められるんじゃない?」
(……悠に?)
「頼ればいいのに」