私はあなたのストーカーです


言えないよ。
言えるわけ、ないよ。


悠は私のことが好きだと言ってくれた。
だけど私はその気持ちに答えられない。


なのに、頼るなんて、できないよ。


「それともなに。ひょっとして、誰かにSOS出せないような、大きな弱みでも握られちゃったのかな」
「……!」
「あー、やっぱり、そうなんだ」


私の気持ちが顔に出ていたのだろう。


「なにをされたの?」


話が藤ヶ谷くんのペースで、どんどん進んでいく。


正直に話したら突破口でも教えてくれるのかな。

そんなもの、あるのかな。


そうでなくても一緒に悩んでくれる?

味方になってくれる?


……戦って、くれる?


それとも笑われちゃうかな。

バカにされるかな。


もし

藤ヶ谷くんが、麻美たちの仲間だったら?


信じて話したところで告げ口したことをバラされたら?


間違いなく、余計、ひどい目に合う。

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