私はあなたのストーカーです
もし藤ヶ谷くんのことを信じられる日が来たところで、サツキの携帯に私の恥ずかしい写真や動画が保存されているなんて知られたくない。
「そうだよね。言えないよね」
「え……」
「疑心暗鬼になるよね。もう誰も信じられない?」
――誰も?
「ヒナコちゃんの目には。今、この世の全員が敵に映るの?」
ちがう。
「全員じゃ、ない」
栗原先生は、敵じゃない。
先生は私の最大の希望だ。
いつも、考えている。
先生のことを考える間は救われるの。
二番目に、悠を思い浮かべた。
悠とは恋愛感情なしでずっと付き合っていけたら嬉しい。
だけど、それも、無理なのかな……。
「ふぅん。そう。だったら、心から頼れる人がいるなら、その人に助け求めてもいいと思うけどね。僕でもいいし。僕じゃなくてもいい」
「なんでそんなこと言ってくれるの」
私がイジメられる人間みたいなこと言い切っておいて助けたいなんて矛盾してるよ。
「君の心が壊れるのも時間の問題だよね。僕は、それを食い止めたいだけさ」
「…………」
「よくもってると思うよ。なにが君を強くさせてるんだろう」