私はあなたのストーカーです
「……なっちゃん先生。戻って来ないね」
「チャイム鳴ったら戻ってくるよ」
「そっか。……え?」
チャイムが鳴ったら――?
「なんで?」
「だって今授業に出てるし」
は?
「さっきは、すぐに戻ってくるって」
そう、言ったよね。
だから、ここで待とうと思ったんだもん。
「そうでも言わないとヒナコちゃんが、ここに残らないと思ったから」
「…………」
「君は騙されやすいよね。友達の裏の顔も気づかないで、心許すし」
「まさか……知ってたの? 仁依菜ちゃんの、裏の顔」
「まーね。僕、君のグループの、あの四人と同じ中学だった頃あるんだ」
ずっと同じではないような言い方をするのは、なんでだろう。
「僕の趣味の一つは、人間観察でさ。見たままのイメージそのままの人より。たいていは、かわいい顔して中身えぐい、ああいう子たちをウォッチしてる」
(麻美たち全員の素顔を知っている……?)
「今の君にこんなことを言っても、信じられなくて、なんの救いにもならないかもしれないけど。あの子たちに、僕が君の味方って言えば。このイジメは終わるよ」