私はあなたのストーカーです
「努力……?」
ものは言いよう、とはこのことだろう。
利用と聞いたとき躊躇ってしまったのに。
努力、って聞くと。“できることはやりたい”と感じている自分がいて。
「でも。でもね、藤ヶ谷くん」
「んー?」
私から離れた藤ヶ谷くんは、だらんとベッドに横たわっている。
隣に同級生が寝ていることに違和感しかないわけだが、私は先生の話に夢中で、さほど気にならなかった。
「結果を出すためならどんな道を通ったっていいってのは。違うと思うな」
「さすが。優等生」
「茶化さないでよ」
「いいよ、その正義感」
「え?」
「真っ白で、まっすぐな方が。歪んでいったとき、面白いからね」
藤ヶ谷くんは、私が歪んでしまうと言いたいの?
「あー、そんなにムッとしないで。僕は君の味方だから」
「………」
「いいよ。信じなくて。あんまり信用されるナリもしてないし。見た目通り僕はお利口でもないから。それでも僕はずっと君の味方さ。それだけは忘れないで」
どんどん藤ヶ谷くんに心を開いてしまいたくなる自分がいる。
それは、藤ヶ谷くんが、私に冷たいようで甘いことも言ってくれるからだろうか。
少なくとも、今は、クラスメイトで一番この人が話しやすい存在になっている。不思議なことに。
「イジメられてるのだって、他のやつらみたいに、ただ傍観してるわけじゃない。僕は君のひと声で、騎士(ナイト)になる」