私はあなたのストーカーです


「どんなもんだ?」
「左手なのでまだマシです。近所に整形外科があるので……そこでみてもらおうかと」


先生と話してる間に、ぞろぞろと教室からクラスメイトが出ていく。


「マックいこー」
「歌う?」
「はやく行かなきゃ先輩くる」


遊びに行く子、部活に向かう子。


麻美たちがなにか物言いたげな様子で私を見たあと、教室から出ていった。さすがに先生の前では何もしてこない。


そうか。

私、先生といればイジメられないんだ。


『利用すればいいのさ』


藤ヶ谷くんの言葉が、頭をよぎる。


『くりりんってどこかそういうところ熱そうじゃない?』


頼っていいのかな。


『断らないと思うよ』


本当に?

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