私はあなたのストーカーです



歩いて

歩いて


気づけば となり街にいて


雨は いつの間にかやんでいて


『くりりんって、どこに住んでるのー?』


そう

ここは

『個人情報は答えん』
『ケチー。うちらの情報は、なんでも握ってるのにズルい』
『うっ……それは職業柄やむを得ないというやつでだな』
『別に番地まで聞いてないじゃん!』
『……K区だよ』
『えー! 結構近いじゃん』
『来んなよ』


――あなたの住む街。


いくら先生の住んでる街に来たからって、会えるわけ、ないのに。


先生の家が見つかるわけじゃないのに。

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