私はあなたのストーカーです
「本当に、買ってきてくれたんだ」
「もちろん」
ばったり会った彼に誘われて入ったのは、同級生の女の子たちやもう少し年上のお姉さんが買い物をしているような、人気ファッションブランドのショップが多数入っているキラキラした建物で。
私は、多目的トイレに待機していた。
車椅子の人でも入れるような広めのトイレ。
子供のおむつ交換台も置いてある。
なんでここに? と思ったけれど、
『さすがにこの時間に制服で。それも、髪も服も濡れた状態でウロついてたら明らかに不審者だからねえ』
と、半ば強引に押し込まれたというか。
入るや否や問答無用で収容された。
『とりあえず着るもの買ってくるから待ってて。一歩も動かないで。じゃなきゃ面倒みきれない』
と、そんなことを言って藤ヶ谷くんが去っていき。
ここを利用したい人がいたらどうしようなんてソワソワしながら。
もしかして放置して帰られたのでは、という不安が頭をよぎった頃、藤ヶ谷くんがもどってきた。
ブランドショップの袋を両手に抱えて。