私はあなたのストーカーです
あとは、やっぱり靴もピッタリだし。
「これから、いっぱい着ればいいよ。もっと着たことないようなの、たくさんチャレンジして。メイクもして。髪も染めて。やりたいことして、生きるんだ」
「そんな未来あるのかな」
消えそうな声で放たれた疑問に、なにも答えず、ただ微笑んでいる藤ヶ谷くん。
「さて。次、どこ行こうか」
「つぎ……?」
驚いてしまったのは、まだ続きがあるという考えが微塵もなかったからで。
「もう帰りたくなった?」
そう問いかけられ、思い出す。
そうだ、私は、シンデレラなんかじゃない。
お母さんに失望され。
あてもなく家を飛び出してきた、非行少女。