私はあなたのストーカーです
「宣言したでしょ。君は歪んでいくって」
「……どうしてそう思ったの」
「みんなそうなんだと思うよ」
「みんな?」
「うん。理性があるうちは紳士になろうとしたり。世間体気にしたり、守るものあったり。いつ、そんなストッパーが外れるかわかんなくて。それが人によって緩かったり、硬かったりするだけじゃないかな」
理性、世間体、守るもの。
「僕なんかはさ。とっくの昔に人生どうにでもなれって結論出しちゃってるから、ユルユルだよ。ストップかけずに好き放題やれるってわけ」
(好き放題?)
「そんな風には見えない」
「え?」
最初は、自由な人だって思った。藤ヶ谷くんのこと。
もちろん今だって思うけど。
なんだろう。
「ずっと、なにかを気遣ってるような。常にその存在を頭の隅に置いてるような、そんな感じにみえる」
「なんのー?」
「それは、わからないけど」
藤ヶ谷くんの会話の、まるで謎が解けない部分を思い出すと。
なにかルールがあって。
それに抵触すること、できないような。
「自由に見えて、縛られてるように、見える。それも自らの意志で」
「へえ」