私はあなたのストーカーです
「っていうかさー。単純に、ヒナコが碓氷くん独占したいんじゃん?」
――え?
麻美の発言にみんなが固まる。
うちのグループでは麻美の言葉が絶対的だという雰囲気があるからだ。
「そうでなきゃ。そこまで、うちらの邪魔しないよね」
「邪魔って、そんな言い方――」口を挟もうとした仁依菜(にいな)ちゃんが麻美に睨まれ、言葉を切る。
「ヒナコ、好きなんでしょ。碓氷くんのこと」
腕を組んで敵意を向けてくる麻美。
この展開は予想しなくもなかったけれど、ここまで機嫌損ねられるとは思わなかった。
もう、誰も麻美と私を止めようとする子はいない。
「好きだよ。でも、きっと麻美が思ってるような感情じゃない」
「きっと? なに適当なこと言ってるの」
「適当とかじゃ……」
「だったらなに」
――わからない。
「……私、まだ、好きとかよくわからないから」