私はあなたのストーカーです
先生の、写真。
隠れて撮ってたの。
無音カメラで。
コッソリ、バレないように。
フォルダを開けば
何百枚も保存されてたの。
容量オーバーになると、入れてたアプリをいくつか消して。
また、撮ってたの。
先生のSNS、
いつでもすぐに覗けるようにしてたの。
あの日、準備室で、たまたま見つけたの。
パソコンに開かれてたの。
――先生のSNS。
それを、頭に覚えていたの。
それから、ずっと、
ずっと、
ずっと、
更新されなくてもさかのぼって何度も見て。
だから、先生から聞かなくても
好きな料理とか
行ったことのあるお店とか
知ってるの。
登録されてからの三年分、繰り返し、見たから。
さっき、歩きながら
先生が寄った店は間違いなくあそこだろうなとか。
先生が野良猫を見つけてた駐車場、このへんだったりして、とか。
藤ヶ谷くんと並んで歩きながら、そんなことばかり、考えていたの。
きっと、先生の日常ならクラスの誰よりも知っていて。
そこに、女の影がなかったから
フリーなのかなって安心しきってたし。