私はあなたのストーカーです
駅に向かってゆっくり歩き始める。
「明日から、どうするの」
「え?」
「悪夢のような日々に。戻れるの?」
「……っ」
今は、そのこと、考えたくないけれど。
時間は止まりやしないんだ。
シンデレラだって鐘の音が鳴り止んだそのとき、いつもの暮らしに戻ったもんね。
そのあと王子様がガラスの靴を持って迎えに来てくれて。
(シンデレラは、いいな)
王子様に優しくさらわれてさ。
「やっぱり学校に行けば会えるから」
私は、自分から会いに行くしかない。
「ほんとに好きなんだ」
「うん」
「なら、なにも心配ないね」
――?
「心配ないって?」
「幸せになるんだよ。ヒナコちゃん」