私はあなたのストーカーです


幼稚園のときに好きな人のお嫁さんになりたいと思うとか。

小学生のときにイジワルしてくる男の子が気になり始めるとか。


好きだけど告白する前にその子が転校しちゃったりだとか。


そんなピュアな初恋バナシ、私にはない。


大きく目を見開いたあと、麻美が声を出して笑った。


「うそ。ほんとにー?」


なんか、嫌だな。

ちょっとバカにしたような笑い方だし、そんな言い方されたら、恋してるのが当たり前みたいで。

恋する気持ちがわからない私は、まるで、女の子じゃないって言われているみたいだ。


「そっかー。じゃあ、ほんとに碓氷くんは、メールとか苦手でSNSもやってないんだね」

「うん。そうだよ」


< 21 / 353 >

この作品をシェア

pagetop