私はあなたのストーカーです
幼稚園のときに好きな人のお嫁さんになりたいと思うとか。
小学生のときにイジワルしてくる男の子が気になり始めるとか。
好きだけど告白する前にその子が転校しちゃったりだとか。
そんなピュアな初恋バナシ、私にはない。
大きく目を見開いたあと、麻美が声を出して笑った。
「うそ。ほんとにー?」
なんか、嫌だな。
ちょっとバカにしたような笑い方だし、そんな言い方されたら、恋してるのが当たり前みたいで。
恋する気持ちがわからない私は、まるで、女の子じゃないって言われているみたいだ。
「そっかー。じゃあ、ほんとに碓氷くんは、メールとか苦手でSNSもやってないんだね」
「うん。そうだよ」