私はあなたのストーカーです
ダメですよ、先生。
「って。またセクハラだなこれ」
「もう、先生。そんなこと、誰にでも言っちゃダメですよ」
「はは。訴えられるか」
そうじゃない。
そうじゃ、ないんです。
いくら場を和ませるためだからって。
私と打ち解けようとしてくれてるからって。
「言われた方は、期待しちゃいますよ」
私は、恋の経験の浅い女の子です。
普通の高校生です。
甘い言葉に、弱いです。
それがあなたからなら、刺激、猛烈に強すぎるんです。
「誰にでも言わねえよ?」
――心臓が大きく波打った。
「それ……どういう」
期待しちゃ、ダメ。
相手は担任の先生だ。
この気持ちは、報われない。
それでも。
進みたい。
「さーて。住所教えてもらえるか? ナビに入力するから」
(答えてくれないんですね)
「ほれ宇崎、住所――」
【君の恋は始まったけど。片想いだし。向こうからしたら、“対象外”だろうね?】
“対象外”のままは――イヤだよ、先生。