私はあなたのストーカーです


最初に出逢ったときから、友梨さんの印象はよくなかった。


幼い俺がなぜ初対面で友梨さんに嫌悪感を抱いたのかは、今なら説明がつく。


母親であるのに相応でない、学生みたいな服装とメイク。

子供相手とはいえ品のない話し方。


――頭のすっからかんなバカ女だと思った。


それでも愛想よくしていたのは近所のよしみと。


母に、常日頃から『どんな相手にもしっかり挨拶だけはしておくこと』と言われていたことと。


そして、なにより――。


『この子、うちのヒナコー。仲良くしてやってね』


あの女の娘が。


ひなが。


『よ、よろしくね。ハルカくん』


この世のものと思えないくらい尊かったからだ。


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