私はあなたのストーカーです


恵まれていたのは運動神経だけじゃない。


成績もよければ芸術面でも読書感想文や絵画コンクールで賞をとったり、たびたび学年通信に名前が載った。


そんな俺を母さんが周囲に誇らしげに自慢している様子は見ていて気分のいいものじゃなかった。


すくすくと育つ俺を可愛がっているというよりは、身につけるアクセサリーの価値が高いことを喜んでいるように見えたからだ。


(俺は高級品だから愛されてるのか?)


小学生の頃にそんな疑問を抱いた自分は、つくづく可愛げのないガキだと思うよ。

まあ、表面的には、誰からも可愛がられるキャラだったが。


友梨さんが俺の母さんから俺のことを自慢されるたびに劣等感を抱いているのは、子供ながらに見ていてわかった。


出来の悪い我が子に嫌気がさすというよりは、女手ひとつで子供を育てきれていない自分に対する負い目を感じているようにも見えた。


(ひなは、ひなだ。そのままでいい。なのに、なぜそれを受け入れてやらないんだ?)


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