私はあなたのストーカーです


 *


「ごめんね、ヒナコ。フォローしきれなかった」
「しょうがないよ。相手は麻美、だし」


放課後、仁依菜ちゃんと駅に向かう。

同じホームを利用していること、二人とも部活に入っていないこともあって一緒に帰るのが当たり前になっている。


あとの三人は麻美を含め、部活女子だ。三人とも軟式テニス部に所属している。

男バスのマネージャーやりたいなんてのは口だけで、いや、半ば本気かもしれないが中学から続けているテニスをやめてまでは選ばないだろう。


もっとも、男バスのマネージャーの倍率はかなり高いと聞く。初心者歓迎というムードはなく、中学時代にバスケをしていたとか、それなりに経験者が優遇されるらしい。


というのも、うちの高校の男バスのレベルが高いから。強豪校で、悠はスポーツ推薦でここに入った。
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