私はあなたのストーカーです


俺が友梨さんに取り入ったのは、言うまでもなく、将来ひなを自分のものにしたいからだ。


そのためなら気に入らない女にだって好かれておく必要があった。


ひなの母親に限らず、ひなの友人からも『碓氷くんみたいな幼なじみがいていいね』と好かれるようになった。


ひなを一番好いていたのは外でもない俺だったし、ひなが一番心を開いていたのも俺だった。


俺はずっと努力してきた。

母さんのためじゃない。


天使みたいなひなに釣り合う男になりたかったんだ。

俺を選んでもらえるように頑張ってきたんだ。


友梨さんは、虐待まではいかないと思うが、育児放棄することがある。


女になるときだ。


ひなのことを愛してはいるのだろう。

ただ、それより、己の欲が勝ったとき。


『お母さん、今日は帰ってこないから』


ひなのことを、ひとりぼっちにしていた。

男と会うためだ。


友梨さんを、なにがそんな風にさせるか、俺にはさっぱりわからない。

幼い娘に寂しい想いをさせてまで男とデートする意味ってなんだよ。


まあ、そこに、子育てに対する劣等感や。

一人で子育てする辛さから逃げたいという気持ちがあったのかもしれない。


未熟なんだ、友梨さんは。

若くして子供を生み、もしかしたら当時は野望もあったかもしれない。

もっとひなのことを愛していたはずた。


だが、様々な要因が重なり酒や男に度々逃げた。

ヒステリックにもなった。

そんなところじゃないかと思う。


それが傍であの親子と過ごして感じた見解だ。


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