私はあなたのストーカーです
『なんでお母さんの言うこと聞かないの!』
そんな怒鳴り声が家の前を通ると聞こえてくる日もあった。
それでも。
次の日には仲良さげに家の前で『行ってきます』の挨拶を交わしていたり。
まさに親子って感じだった。
友梨さんはひなの前で俺ばかり褒めていても。
ひながいないとき。俺と二人で話すとき。
友梨さんから出るのは結局、ひなの話で。
『リレーでのヒナコのバトンの渡し方。どんくさすぎ』
『悠くんは、すごいねー。ひなは、絵も歌も下手くそで』
『そういうとこ。昔のあたしにそっくりで可愛いんだけどさ。苦労するの目に見えてるからもっと器用に生きられたらいいのになー。どう教育したら悠くんみたいになるんだろう』
ひなのことを愛しているのは伝わってきたんだ。