私はあなたのストーカーです
『なんだよ……これ』
『カワイソウな子がクラスにいてさー』
たまたま、保健室で居合わせたらしい。
ひなと。
『二人きりだったし、落ち込んでたしで、ちょっと慰めてあげようと思ったら、こんなラクガキ書かれちゃってて』
女に手が早そうだとは思っていたが。
俺はひなが藤ヶ谷に目をつけられていたことを知り、焦った。
他のザコならともかく。
藤ヶ谷なら、ひなを夢中にさせかねないと思ったからだ。
『そいつに手を出すな。俺の大切な子だ』
『そうなのー?』
『知ってて近づいたのか』
『まさかー。それじゃあ、僕が、手伝ってあげるよ』
『手伝う?』
『うん。ヒナコちゃんイジメてるの、僕の同中の女の子たちなんだけど。すっごいヤバイ子たちだから。はやく救わないと大変なことになるよ?』
そう言って藤ヶ谷の方から協力してきたのは意外だった。
(ひょっとしたらヒナコのこと)
最初は、ヒナコに本気で気があるのかと思ったが。
『四人は僕には歯向かわないよ。力の差、ありすぎだし。なんなら弱み握ってるしー。だから、さ。いたぶるのは、僕のシゴトってことで。いいかな? 君も僕もヒナコちゃんイジメられてムカついてる。一緒に報復しよう』
その真意は、ただ、藤ヶ谷は
ゴミと判断した人間を追い込み、抹殺したいだけなのではないかと思っている。