私はあなたのストーカーです
こんなに可愛いなら男の子が放っておかないような気がしてならないんだけど、仁依菜ちゃん、奥手なのかな。
「いつになったら好きな人できるのかなー」
仁依菜ちゃんの気持ちがわかりすぎる。
「どんな感情なんだろう」
ぽつりとつぶやいたら、
「未知だよねー」
仁依菜ちゃんが続けてつぶやいた。
「私、初恋に早いも遅いもないと思うなあ」
「わたしも」
「この三年間で、できるといいね」
「うんうん」
「まあ、できなくてもいいけど」
「ヒナコは恋愛に興味ないの?」
「こんなこと言うと夢を壊しちゃうかもしれないけど。うち、はやくに両親が離婚してるせいかな。恋愛にキラキラしたイメージがあんまりないんだよね。興味ないわけじゃなくて、想像できないというか」
「あー、それはわたしもだよ」
「そうなの?」
「うん。母子家庭だから」
同じだ。ここまで境遇が重なると同盟でも組みたくなってきた。
「だからかな」
「え?」
くりっとした目で見つめられる。かわいい。
「いつも仁依菜ちゃんが周りを気づかおうとしてくれてるの、わかるよ。入学式の日だって。知り合いもいなくて、不安だらけの私に声をかけてくれて凄く嬉しかった」